« ホテル・ルワンダ | トップページ | ボケボケです »

「実録 ホームレス とは!?」を読んで

今年の冬は厳しい寒さが続き、今日は4月というのにまだ肌寒いですね。新宿や上野に行くと、寒空のした、ホームレスと呼ばれる人たちが沢山いるのを目にします。彼らを怠け者と、言う人もいますが、それだけであのような悲惨な生活をしているとは、到底思えません。彼らは何を考え、どういう状況にあるのか気になっていました。

図書館でこの本を見かけ、読んでみました。著者はジャーナリストの森川直樹さんです。多くの関係者・・ホームレス、支援者、行政・・から地道に話を聞いて、この本は書かれています。私の印象に残った点を書いてみたいと思います。

正確な調査はないのですが、この本が書かれた94年の時点で東京だけでも約1000~2000人のホームレスがいると言われている。日本全体ではこの何倍にもなると思われます。新宿で調べたところでは、年齢的には50代、60代が圧倒的に多く、高齢化が進んでいる。きっかけは仕事がなくなったというのが70%あまり、行政に望みたいことは仕事の保障と住む場所の保障が80%近くになっています。つまり、リストラや倒産、事業の失敗などで仕事がなくなり、次の仕事が見つからずに住む場所も失ってホームレスになった人が大勢を占めています。いったんこのような状態になってしまうと、まず住所がない、身なりも汚れてき、年齢もあいまって仕事につくのは困難を極めるのです。

ホームレスの人を収容する施設があって、行政がそこに入ることを勧めても、嫌がる人が多いという報道を聞いたことがあって、それはわがままなんじゃないかしら、と不思議に思っていたのですが、それは単なる短期の一時的な収容で、2~4週間、食事はできるものの、仕事は斡旋してくれるわけでもなく、又もとの生活に戻るしかないらしいのです。

新宿区生活福祉課の課長の話では、行政がまずできることは、生活保護の適用(居所を有しなければできない)、あとは食料の支給なども行ってはいるが、抜本的な解決には結びつくものではない。国の方針としては、「原則的にまず,更生施設に収容し、その上で求職活動をを促す」ということなのだけれど、その施設が圧倒的に足りないということらしい。施設が足りないのは金銭的な問題はもちろん、いざ建てようとすると、周辺住民の猛反対にあうという。以前、新宿の地下道で強制的なホームレスの追い出しが行われたときは、「ひどい、何とかしてやれ」という抗議の電話があったりするけれど、いざ施設を作ろうとすると反対する。・・何とかしてやれ、でも俺の隣はだめだ。・・ということなのだ。

この本が書かれてから10年余りたっていますが、状況が改善されているようには思えませんね。景気対策も必要ですが、国はもっと真剣にホームレス問題に取り組んでほしいものです。更生施設の建設、仕事の斡旋、そして、高齢者や病気の人の保護などに、です。

最後に、筆者が繰り返し述べていたのは、ホームレスは特別な人ではない、私たちと同じ人間であるし、それぞれ千差万別な事情があり、ホームレスという言葉で一くくりにすべきではないということです。私も彼らをホームレスと言う色眼鏡を通して同じように見てきたことに気づきました。私たちに何ができるのでしょうか。

|

« ホテル・ルワンダ | トップページ | ボケボケです »

「社会」カテゴリの記事

コメント

私はホームレスに否定的かもしれない。
幼い頃よりちょっと出かければそこ、ここにいっぱい居ました。
大阪は日本一多いんです~昔から。
ちょっとしたきっかけでホームレスになり、慣れて抜け出す気力も無い。自由なんです。
暑さ寒さ、空腹はあっても楽なんです。
今のニートって呼ばれてる人も先はホームレス、生活保護受給者になり兼ねないと思いませんか?
ホームレスになる前に職業を選ばなければ、こんなに増えなかったと思います。
職安でも収入が低いからって、失業保険受給されてる方が多数です。

ごめんね~ちょっと熱くなり過ぎましたね。

投稿: りゅう | 2006年4月 1日 (土) 21時12分

昨晩遅くのテレビで、偶然大阪西成区のホームレスの現状を放送してました。二日に一人は路上で亡くなってたりする・・・とか、すごい内容でした。次男と見ていたのですが、西成のあたりは こわくて通れない、とも言ってました。国からの援助は 以前に比べると多くなってはいるようですが、その分 ホームレスの数も増えていて、追いつかないみたい・・・難しいものです。なりたくてなった人はいないと思いますが、いろいろ考えさせられるものがありました。

投稿: フラワー | 2006年4月 2日 (日) 10時00分

こちらのホームレスの方たちは、けっこうがんばっていますよ。(?)
市の資源回収で、空き缶、空き瓶の日が月2回あるのですが、自転車にリヤカーなどをくくりつけたり、大袋で、アルミ缶を回収していきますよ。各町内を順番に回収カレンダーどおりに。
現金を得るための行動なら、ある意味、非常に効率はいいのですが、、働く意欲があるなら、農業なり、林業なり、もっと生産性のいいお仕事を地道にしたらいいのに。って勝手な意見でした。

投稿: まきち | 2006年4月 2日 (日) 18時04分

☆りゅうさんへ

う~ん、厳しい意見ですね。確かに一度あのような状態に陥ると、抜け出すには相当な気力、努力が必要でしょうね。50代以上の人が多いので、定職につくのは非常に難しいようですし。人間関係が苦手な人もおおいようです。でも、何とかしなくては・・と思います。何もできないけれど・・

☆フラワーさんへ

恐ろしいことですね。この本はだいぶ前に書かれたものだったのですが、今はもっとひどくなっているのでしょうか。格差が広がるとか言われているし、皆自分のことで精一杯です。(私もそうですが。)胸が痛みます。

☆まきちさんへ

私もそう思います。ただ、そのような職に就くためには、行政の支援というか、斡旋がないと難しいですね。ホームレスの中にも、お金よりも、人間として生きがいとしての仕事が欲しいと言っている人もいるそうです。

投稿: めろん | 2006年4月 3日 (月) 23時32分

たしか以前もホームレスのこと書いてらっしゃいましたよね。
私もホームレスと言って、すべてのホームレスの人をひとくくりに考えるのはおかしいと思ってます。不登校とか、ニートとかもひとくくりでは考えられないですよ。
りゅうさのいうように、無気力な人たちも多くいて、働くことより気楽さを優先させてる人たちも多いんでしょうね。
最近は良い意味でのプライドがなくなって、もらえるものなら生活保護もすぐ受けてしまうような、そんな風潮が在りますよね。

投稿: ちまき | 2006年4月 9日 (日) 16時47分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/108726/9376754

この記事へのトラックバック一覧です: 「実録 ホームレス とは!?」を読んで:

« ホテル・ルワンダ | トップページ | ボケボケです »