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アルナの子供たち

_015 連休の初日、29日に「アルナの子供たち」を見に行きました。29日と30日だけの、しかも1日一回だけの上映で夜の9時からでした。下北沢の小さな映画館で。下北沢は高校の頃よく行ったけれどすごく久しぶりでした。お店がいっぱいあって、若者であふれていましたね。昔の面影はありませんでした。先日の朝日新聞で、アルナの事が紹介されていて、息子にも見せたら、この映画の上映を見つけて、それじゃあ行こうと言う事になって、夫と3人で見に行きました。

イスラエルの平和運動家、アルナ・メールは、パレスチナのジェニンの難民キャンプで、子供たちの支援活動を始め、和平の機運が高まった頃、スェーデンの議会から「もうひとつのノーベル賞」を受賞し、賞金を元にキャンプに子供劇団を作りました。絶望と暴力が渦巻くキャンプの中で、子供たちに演劇や絵画を通して自由と夢、人としての権利を教えるために。

しかし、再びイスラエルによる侵攻が激しくなり、アルナも死去し、運動も頓挫してしまう。ジェニンで大侵攻があり、激しい戦闘があったあと、アルナの息子で演劇を教えていたジュリアノは、劇団の子供たちのその後を尋ねてジェニンに入ります。

そこには信じられない悲惨な事実が・・若者になった子供たちのほとんどが、抵抗運動のリーダーとなって殺されたり、自殺攻撃によって自らの命を絶っていたのです。彼らに夢と自立を与えるための教育が、強い誇りを与え、情況に追い詰められて、戦いに追いやる結果になってしまったのです。

この映画はドキュメントで、彼らが子供の時代の無邪気で明るい様子が何度も出てきます。最初はイスラエル人であるアルナに疑いを持つけれど、すっかりアルナが好きになった子供たち。アルナが母以上だといった、オマー・シャリフのような俳優になりたいと言う夢を語っていた子供は銃の乱射という自殺攻撃で死んでいった。その子供たちの映像が実際のものであるという事実が、限りなく重いものでした。彼らもパレスチナに生まれなければ、まだその笑顔のまま、夢を追っていたでしょうに。

この映画は最初は、当然イスラエルでは受け入れられなかったのですが、最近上映されるようになったらしいのですが、映画を見たあとのあるイスラエル人の女子学生の言葉が監督に衝撃を与えました。「パレスチナにも夢を持って笑っている、愛らしい子供たちがいるなんて、想像もできなかった。」という言葉です。政治によって、人々の心が閉ざされ、敵が人間であることにも思いが至らない状況がわかります。

大変重い映画でした。子供たちの笑顔がまぶたに焼き付いて、離れませんでした。平和な日本で暮らしている私たちも、世界の中にこのような悲劇が今もあることを知らなければならないと思いました。

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コメント

中々難しそうな映画ですね。
めろんちゃんは、何か考えさせられるテーマのある映画を良く御覧になってませんか?

政治っていい加減な人間が自分だけの為に行なっている節がありませんか?

其処に生きている人間の心身を置き去りにしてますよね。
日本に生まれてよかったけど、最近の日本は平和ボケ。
有事には立ち向かえる人、居ないでしょう。。
って、関係ないコメントになりました~

投稿: りゅう | 2006年5月 2日 (火) 14時35分

☆りゅうさんへ

映画が好きなので、いろいろ見ます。楽しい映画、好きですが、たまにはこういう映画も良いかな、と。気分は暗くなるけど、すばらしい人の人生に触れられると,自分も何かしなくては、という気にさせられます。難しいんですが。本と、日本は平和ボケですね。

投稿: めろん | 2006年5月 5日 (金) 13時36分

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