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「名もなき毒」

宮部みゆき著「名もなき毒」を読みました。図書館に予約して、半年近くかかったかな。すごく好きな作家の本は買うんですが、それ以外はなるべく図書館で借りることにしました。本が増えてしまって困るから。2度読む本ってめったに無いですし。宮部さんの本も、前は買っていたんですが、超能力ものや時代物はあまり好まないし、少し飽きてきたっていうのもあるし。と言いながら、ほとんど欠かさず読んでいるんですし、読み始めるとやめられないから、やっぱりすきなのかな。これも、途中まで読んだらやめられなくて、朝の4時までかかって読んでしまい、次の日はふらふらでした。う~ん、やっぱり上手いですね。

「誰か」の続編と言うか、これも杉村氏が事件に巻き込まれ、解決します。杉村氏と言うのは、某巨大企業の会長の愛人の娘婿で、結婚後はその企業の社内報の編集室で仕事をしていると言う、微妙な立場・・・この設定も面白いですね。

彼は最近採用した女子社員の無能さとひどい態度に困惑し、その社員の前歴を調べているうちに、ある女子高生に出会います。その頃、飲料水に青酸カリが混入されて飲んだ人が死ぬと言う事件が続いており、彼女はその3人目の被害者の孫でした。

偶然彼女と関わった杉村氏は、彼女の母親や、飲料水を売ったコンビニの店員など、色々な人と出会います。

一方、彼の家庭では、引っ越すことになり、彼の妻はこの計画を進める中で、シックハウス症候群について調べています。そして、土地自身が有毒物質を持っている場合があるということが提示されます。これが一つの「毒」でもあります。

事件の方は被害者の意外な人間関係も現れて来て、読者は(私ですが)どんどん引き込まれていきます。そして、例の女子社員の不気味な行動が、いやな予感を・・

このくらいにしておかないと、結末が分かってしまいますね。宮部さん独特の人間描写、ちょっと極端ですがすごく分かりやすくて、目に浮かぶようです。最後の方は息もつかせず、と言う感じ。ただ、読後感は必ずしもいいとは言えない、と言うか少し憂鬱になります。

人間のどうしようもない弱さ、心底からの悪人、などが印象に残るからでしょうか。「模倣犯」や、他の作品でもどうしようも無い悪いやつって出てきます。しかも、世の中を見ていると、そんな人がいないとはいえないようですし。こういう人間の表現を読むと、私は「エデンの東」の母親を思い出します。なぜそんな人間ができてしまうのか、宮部さんは答えを書いてくれないし、私も考えても分からないです。人間て弱いものだとしか・・・

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コメント

私も「名もなき毒」読みました。でも、細かい内容をずいぶん忘れていてめろんさんの文を読んで思いだしました。
私は、甘いかもしれないけれど心底の悪人っていない気がするの。もしいたとしてもその人の生い立ちを振り返ればその人だけのせいにできない何かがあると思うの。そんなの甘いですよね。
でもそう思いたい。
「エデンの東」なぜだか最近観てみたいなあと思っていたの。どうしてかな?

投稿: ちまき | 2007年8月25日 (土) 09時42分

こんにちは。
あるテレビ番組で、オススメの本を紹介するコーナーがあるのですが、そこで宮部みゆきさんの本を紹介していました。この本ではなかったと思いますが…
なんだか面白そうだけど、模倣犯を読んでから~とアドバイスをしていました。
この人の作品はさりげなく続編ていうのが多いのでしょうか?暗い話は苦手なんですけど。
まだ読む予定はないですけど、宮部みゆきさんの本を読んでみたいと思っています。

投稿: fumika | 2007年8月26日 (日) 10時56分

こんにちわ。
人間って1対1で付き合ってみたら
そんなに悪い人は居ないって云うのが私の持論なんです。
犯罪に手を染める人、コレまでの環境が大きく左右しますね。
ホームレスも生まれた時は家が有ったのに、故郷を出て都会で疲れ果て晩年が寂し過ぎです。

って本の話題と離れちゃうけど、人間って本当に強い人って居るのかしら。。。
みんな1人じゃ生きていけない、弱いんだわ。。
私も弱いなぁ~って最近つくづく思い知らされてます。

投稿: りゅう | 2007年8月28日 (火) 11時44分

☆ちまきさんへ

ちまきさんは優しい方ね。私も、幸い心底悪いと思う人には出会ったことは無いけど、世の中のニュースを見ていると、そんな奴がいるんだと思ってしまう。そんな酷いニュースが多いと思いませんか?
エデンの東、映画もいいけど、原作も面白いですよ。と言っても、高校生の頃に読んだきりですが、今も強い印象が残っています。

☆fumikaさんへ

宮部さんのは面白いですよ。私のお勧めは、「火車」と、「理由」です。どちらも、現代社会の矛盾や人間の弱さがよく描かれているし、人物描写、ストーリーの意外性も、傑作だと思います。
fumikaさんも、読書好きなんですね。今、「終末のフール」を、読んでいます。伊坂さんも面白いですね。

☆りゅうさんへ

環境はもちろん大きいと思いますが、何不自由なく育って、普通の家庭の子が・・って言う事件が最近目立ちます。そのたびに、考えてしまいますが、答えが分からないです。
そうね、人間って弱い。私も、うんざりするくらい弱いもの。りゅうさんは、すごくしっかりしている印象だけど、そういう人に限って、ナイーブなのかも。がんばり過ぎないでね。(いつもこんなこと言ってる気がする。ごめんなさいね。)

投稿: めろん | 2007年9月 1日 (土) 23時51分

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2007年本屋大賞第10位であり第41回吉川英治文学賞受賞作でもある、宮部みゆき氏作品、「名もなき毒」読了しました。 「原田いずみ」、いいですね。 登場人物としては相当のインパクトをいただきました。   amazonリンク 宮部 みゆき 名もなき毒... [続きを読む]

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