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「ゴールデン・スランバー」

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伊坂幸太郎の本です。いつもながら、面白い。そして、いろいろな伏線がつながっていくのも、いつも通り。ぐんぐん引き込まれます。

元宅配便ドライバー、青柳はイケメンで心優しい青年であるが、その優しさゆえに?彼女に振られ、学生時代のサークル仲間とも疎遠になっている。が、ある日、昔の仲間森田に呼び出される。実は、少し前、電車で痴漢呼ばわりされたとき、突然現れた森田に助けられたことがあった。

ちょうどその時、舞台である仙台では、新進気鋭の新首相のパレードが行われているのだが、上空から降りてきたラジコンヘリに搭載された爆弾で暗殺されてしまう。

そんなことも知らない青柳は、森田に「お前は陥れられようとしている。逃げるんだ」と言われ、理由も分からないまま、車に森田を残して現れた警官たちから逃げ出す。

彼は何と首相殺しの犯人にでっち上げられているらしい。訳は分からないが、巨大な組織的陰謀があり、あわよくば犯人にされたうえで、殺されるかもしれない。それを、だんだんに信じざる負えないような状況となり、必死で逃げるが、じわじわと追い詰められていく青柳。

青柳に感情移入してくると、読んでいて恐怖感が募ってきます。そして、巨大な組織(それは何なのか、分からないところがまた怖いんですが)に対する怒りがこみ上げています。

青柳の昔の彼女、晴子は、テレビで事件を知るが、彼が犯人とは思えない。また、再開したもとのドライバー仲間、岩崎も、彼を信じて手助けをしてくれる。そして、極めつけは、彼の父。糾弾すべく集まったマスコミを相手に、「あいつはやっていない。おれはよく知っている。厄介なことになっているから、雅春、ちゃっちゃっと逃げろ!」と、言い放ち、顰蹙を買います。ちょっとウルッと来るシーンです。この人たちがいなければ、あまりにも悲惨です。もしも、自分が何かの濡れ衣をかけられて、圧倒的に不利な時、そのくらいの人が私を信じてくれるんだろう?なんて考えてしまいます。

この小説は、あのケネディ暗殺を下敷きにしています。森田は、「お前、オズワルドにされるぞ」と言いますが、ぞっとしますよね。最近、「JFK」という映画を見たんですが、今では、オズワルドが犯人だとは誰も思っていないんじゃないでしょうか。こんなことが、本当にあったんですから、この小説もあながち荒唐無稽とも言えないかも。

結末は、ちょっと力が抜けるというか、もやもやは残りますが、う~ん。

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コメント

こんばんは。
ハラハラドキドキものでしたね。
案外、みんな優しいっていうか、
他人事だから助けてるっていう気もしないでもないけど、国家が相手だと本当に怖いです。
私には耐えられない結末だったけど、でも良かったとも思う。
国の保障が受けられない彼は、
ちゃんと生きていけるんだろうか。
それが心配です。

投稿: fumika | 2009年3月17日 (火) 23時23分

伊坂幸太郎売れてますね~
私も図書館に予約しとこうかな、、、
その前に読みかけの本を読了したいぞ、

投稿: まきち | 2009年3月19日 (木) 12時03分

そういえば、先日「13日」を見ました。
キューバ危機のドキュメンタリータッチの映画です。戦争の練習をしているから戦争をしたくてしょうがない軍人を抑えて海上封鎖をしたケネディーの苦悩がよく描かれていました。

そういえば、WBCできょう日本がキューバに勝って準決勝進出です。やっとイチローの快音が出ましたね。

投稿: ripple | 2009年3月19日 (木) 16時33分

☆fumikaさんへ

面白いけど、ハラハラしますね。世の中見ていると、権力の前の人間の弱さを感じるから、本当に怖い。結末はちょっと、スカッとはしませんね。
青柳、ドラマにしたら、だれがいいと思います?
私は、福山雅治なんかどうかなと思うんだけど。

☆まきちさんへ

お久しぶりです。私も図書館ですが、随分待ちましたよ。伊坂幸太郎、ますます人気ですよね。
私も、5冊くらい並行して読んでいます。その中の1冊くらい、読みかけで挫折したりしますが。

☆rippleさんへ

キューバ危機の時、子供ながらに怖くて、ケネディに手紙書いたりした覚えがあります。
先日、カストロのインタビューをテレビで見たんですが、ゲバラの事とか面白かったです。

WBCよかったけど、少しカストロが可愛そうな気も。
野球好きらしいですね。原監督の采配を批判しているとか、今日の新聞に書いてありました。

投稿: めろん | 2009年3月19日 (木) 22時17分

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